「何事も諦めないこと」
幼い頃からこの言葉を何度も母に言われました。
中高時代の私は、部で起こった嫌なことに向き合わず、自分の意思ももたず、「辞めずに練習に参加し続ける」という「諦めないこと」だけで満足していました。
何事もあまり熱くなれない自分が、強く自分の思いをもてるようになったのは、熱い想いをもつ仲間たちとプライドで出会い、沢山の方々に支えてもらう経験を数多くしたからでした。
三年次、私たちは執行期として「全国大会出場」という目標を立てました。
しかし、コロナ禍の影響で、大会への出場経験がほとんどなかった私は、その目標があまりにも大きく感じました。
初心者が半数以上を占める団体が全国大会を目指すことは不可能ではないかと感じ、目標に後ろ向きなリーダーが練習に参加していいのかと、挑戦する前から諦めていました。
そんな私の原動力となった存在がいくつかあります。
一つ目は、仲間たちの頑張りです。
仲間の頑張る姿を見ると、自然と力が沸きました。
「自分も刺激や励ましを送ることができる存在になる」と決意でき、その気持ちで練習会に参加すると、さらに力が湧いてきました。
二つ目は、プライドを支えてくれる人の存在です。
プライドは、裏方の仕事やイベントの応援など、年間を通して数えきれないほどの多くの後援会の方にお力をお借りしています。
そのことを認識するたびに、マーチングができているというありがたさを感じ、「結果をもって恩返しがしたい」と決意ができました。
三つめは、仲間と奏でる音楽の存在です。
私はみんなと演奏をすることが大好きです。
苦楽を共にする仲間と、演奏を通して心を合わせられることがとても嬉しく、毎日とても楽しかったです。楽しすぎて、いつも自然と笑顔になっていました。
みんなと奏でる楽しさを味わうことができたお陰で、「もっと心が通った演奏を届けたい」と音楽を追求していく向上心につながっていきました。
そんな仲間や支えてくださる方々の思いを日々感じながら、練習に励む中で、
「この演奏を全国の舞台で届けたい」「こんな演奏だと全国大会にはいけない」などと思えるようになり、「全国大会」という目標に前向きになっていました。
画面越しのオンライン練習会から始まった私たち50期。
2年目、大会直前練習で「プライドがんばれー!」と後援会の先輩からいただいた初めての生の声援に涙が止まらなかった私たち50期。
そんな私たちが、まさか、さいたまスーパーアリーナという大舞台で、多くの歓声を受けながら演奏ができる日を迎えられるとは夢にも思っていませんでした。
コロナ禍を先頭に立って踏ん張ってこられた先輩方に、全国大会銀賞という結果をご報告をすることができ、とても嬉しかったです。
諦めずに一つ一つ進んできたからこそ、切磋琢磨しながら挑戦を続ける日々は、本当に幸せな時間だったと感じることができます。
最初から不可能なことなどない。
楽しかった!やりきった!と誇りを持って卒業することができます。
本当にありがとうございました。
50期 Front Pit 村田絢美
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