「初めて会った赤の他人である私の悩みを、どうしてこんなに親身になって聴いてくれるのか」
1年生の6月、私はそんな心優しい先輩方に憧れ、入部を決意しました。
初心者であることや同期の中で1番最後に入部したことを引け目に感じた1年目。
ショーに早く参加できるように、先輩方にはたくさん自主練習に付き合っていただきました。
執行期を迎えた3年目。
副部長、ブラスの副セクションリーダー、ビジュアル長としての役割を務めた私は、人生で経験したことのない程の責任の重さを感じ、初めての挫折を経験しました。
部員が後悔なく、楽しく、笑顔でいられる部活動にしたいと意気込む反面、1年生が入部してからは、全国大会を目指す団体としてどのような練習をすれば良いのか、悩み続けました。
多くの部員の「貴重な大学生活」のほとんどの時間を預かっていることを考えると生半可な気持ちではいられませんでした。
そのうち、練習をつくり、進行する者としての責任の重さをより強く感じ始めました。
リーダーとして前に立つ自信がなかった私は、自信のない自分を周りに隠し、自分だけで悩みを抱え込んだ結果、体調を崩して数日間練習会を休んでしまいました。
そんな時、私に手紙を書いてくれたり、相談に乗るよと励まし続けたりしてくれたのは、執行期として共に闘う同期でした。
同期と関わり続けるうちに、悩んでいたのは自分だけではなかったこと。
同じ想いで必死に闘う執行期の存在に初めて気付き、仲間を頼っていいんだと気付くことができました。
本当につらいときに周囲に頼ることは、他の人には簡単なようでも私には出来ていなかったことでした。
それからは、仲間と同じ目標に向かって、どんな練習会づくりをすれば部員が笑顔になれるか、全国大会に出場する団体になれるのか、話し合いながらお互いに頼りあえる関係を築くことができました。
部員のこと、同期のことを考えて、周囲のためにこれだけ行動を起こした経験は初めてでした。
振り返れば、3年目に様々な役職を経験させていただいたことは、薄情者で周囲に関心をもつことが苦手だった私を変え、自分が憧れた先輩方のように少しでも近づくためのチャンスでした。
何を考えているのか分かりづらい、とっつきにくい私に声を掛け、励まし続けてくれた同期や先輩方、後輩には感謝しかありません。
それぞれの考え方や価値観があっても、みんな同じ方向に向かって頑張ることができる同期はとても大きな存在でした。
今までみんなが助けてくれたように、社会に出てからは自分が周囲の人を助けられるよう、周りの人との繋がりや感謝の気持ちを大切にして日々挑戦していきます。
47期 Brass Euphonium 川下 健一
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